テニス肘について
肘の曲げ伸ばしや腕を捻ったときに肘に痛みが出る場合、テニス肘を疑います。テニス肘はその名前からスポーツ障害と思われがちですが、実はテニス未経験者でも発症するケースがあります。
悪化すると生活動作にも影響を及ぼすため、早めの対処が肝心です。ここでは、東洋医学から捉えたテニス肘と鍼灸でのアプローチ法を解説していきます。
テニス肘とはどんな症状?
テニス肘はテニスプレイヤーに多く発症することから、その名がつけられました。肘のトラブルのうち、外側が痛いときの総称がテニス肘です。バッグハンドをしたときに最も負担がかかって痛めやすくなるため、別名バッグハンド肘とも呼ばれています。
テニス肘という名前ですが、実はテニス以外にも日常生活で肘を酷使しすぎると発症するのが特徴です。西洋医学的な表現をすると、テニス肘は上腕骨外側上顆炎と診断されます。外側上顆とは、肘関節の外側にある骨の出っ張り部分のことです。そこは靭帯や筋肉などさまざまな軟部組織があり、負担をかけ続けることで炎症が起こりやすくなります。
テニス肘を起こしやすい人の特徴
テニス肘は打撲や捻挫と違い、たった1回のケガで発症するわけではありません。自分でも気づかないような細かいダメージが蓄積され、ある日突然発症します。例えるならコップに徐々に水が溜まっていき、満水になると溢れてしまうイメージです。
そのため、手首を反らす、指を伸ばす、腕を捻るといった動きを習慣的にする方が、テニス肘を起こしやすくなります。この動作は、テニスはもちろん日常生活の中でも何度も行われる動きです。長時間のパソコン作業や手芸なども、慢性的に手指を動かして筋肉に負担をかける動作となります。これらの動きで痛みを感じる場合は、テニス肘を疑いましょう。
西洋医学のテニス肘の治療法
テニス肘を疑った場合、多くの方が整形外科を受診するでしょう。一般的な治療としては、痛み止めの服用や湿布、電気治療などの物理療法が挙げられます。これらは一時的に肘の痛みを緩和させることはできますが、また痛みが再発してしまうケースが多いようです。
炎症が起こっている部分に対する対症療法だけでは、テニス肘の根本改善にはなりません。テニス肘を改善させるには、痛みの大元となっている原因を取り除かなければならないのです。
西洋医学の場合、ケガによる外傷には特効性がありますが、テニス肘のような慢性症状の治療は不向きといえます。これは、肘が痛いなら肘だけを診るという西洋医学のスタンスのためです。身体をパーツごとに区切って診療するため、痛む部位に原因が潜んでいない場合、治療は難しくなります。
東洋医学がテニス肘の原因を突き止める!
慢性症状の場合、原因は症状が発症している部位だけではないことがままあります。実際、当店にいらっしゃるお客様にテニス肘以外に不調がないかお聞きすると、以下のような症状を訴える方が多いです。
- 鼻炎や花粉症など鼻に症状が出やすい
- 風邪を引きやすく気管支が弱い
- 乾燥肌
- 手足の冷えや汗が気になる
これらはすべて呼吸器系が弱い人の特徴ですが、テニス肘にも関連している症状です。そのため、東洋医学では呼吸器系のツボを用いて鍼灸施術を行います。
五臓を活性化させる鍼灸でテニス肘を改善
東洋医学では、痛みや不調が現れる原因のひとつに五臓の機能低下を挙げます。五臓とは肝臓・心臓・肺・脾臓・腎臓のことで、五臓は相互に関わりを持ちながら健康を維持しているというのが東洋医学の考えです。
例えば呼吸器系が弱いと診断されれば、肺が弱っている証拠なのでツボを用いて働きを活性化させます。鍼灸は気血水の通り道である経絡とそこに点在するツボに刺激を与え、五臓の活性化と体質改善を図る施術です。
このように鍼灸は身体の内側へアプローチをかけられるため、テニス肘はもちろん、その他の不調も合わせて改善へと導くことができます。外傷や急性期の症状は西洋医学、慢性症状は東洋医学と、治療の選択肢も視野を広げてみましょう。
解説動画「テニス肘について」
※効果には個人差がございます
鍼灸で長引く肘の痛みとお別れを
テニス肘は、症状が長引くと生活動作が困難になるため、日常生活にも支障をきたします。東洋医学の鍼灸であれば、解剖学的な見解と合わせて相対的に不調を改善させることが可能です。
テニス肘の症状が続いている方や、病院に行っても改善されない肘の痛みにお悩みの方は、ぜひ東洋医学も選択肢のひとつに入れてください。東洋はり灸院が、あなたのテニス肘を全力でサポートさせていただきます!