見て聞いて話して触る「四診法」

脈診

身体の不調を改善するには、症状の根本原因を突き止めることが先決です。

東洋医学では、外見をよく観察して身体に触れ、病気や不調の原因を導き出す「四診法(ししんほう)」と呼ばれるカウンセリング法があります。

そこで今回は五感を総動員して症状の原因を突き止める『東洋医学の四診法』について、現役鍼灸師がわかりやすく解説します。

約2千年の歴史を持つ東洋医学の診断方法である四診法とは

脈診

東洋医学には、見て聞いて話して触る『四診法(ししんほう)』と呼ばれるカウンセリング法があります。これは西洋医学的にいうと問診やカウンセリングに当たりますが、四診法の場合は『見て聞いて話して触る』というところがポイントです。

多くの東洋医学では、四診法をした後に漢方を処方するのがきまりとなります。しかし病院などでは四診法をせずに漢方を処方しているところも多いようです。

東洋医学の理論に基づいて、鍼(はり)ともぐさ(お灸)という道具を用いるのが鍼灸です。当店の鍼灸も、この四診法に基づいて施術を行っています。

四診法の4つの診断方法

四診法

四診法は見る『望診(ぼうしん)』、聞く『聞診(ぶんしん)』、話す『問診(もんしん)』、触る『切診(せっしん)』の4つの診断方法があります。

①望診

望診とは、お客様を見て情報収集をすることです。例えば鋭い目つきや小声、丁寧なあいさつ、気の良さ、反応のスピードといったスタッフへの態度などを元に、第一印象での情報をチェックします。

②聞診

聞診とは、お客様の声を聞くことにより情報を集めることです。主にしゃべり方や声の強弱、物事の表現の仕方などを見ます。しゃべり方と一言でいっても、単刀直入に言う方や遠回しに言う方、声が小さい方など色々な方がいらっしゃるため診断の指標となります。
これらによって鍼灸師は五臓六腑のどこが弱っているのか推測できるのです。

③問診

問診とは、お客様の症状や経過をお客様本人の口から聞いて情報収集をする診断法です。これは病院(西洋医学)の初診などで一般的に行うものと同じとなります。望診と聞診は鍼灸師側の情報で、問診はお客様から直接得ることのできる情報です。

④切診

切診とは、お客様の脈に触れたりお腹に触ったりして診断をする最も重要な方法となります。ほかにも舌をみて、五臓六腑の悪い場所はどこかを診察します。切診は西洋医学で一般的には行わない、東洋医学のみが得ることのできる診断指標です。

中国

つまり四診法は総合的にお客様の身体をみて、病気や症状を診断できる究極の東洋医学と言えるでしょう。四診法をやってこそ、鍼灸や漢方が生きるといっても過言ではありません。四診法は約2千年の歴史が積み重なって体系化されたものなので、実践してこそ東洋医学の最高なパフォーマンスができると当店は考えています

病院の診断に疑問を持った方は東洋はり灸院へ

鍼灸施術

本記事では『東洋医学の四診法』について、現役鍼灸師が詳しく解説しました。

四診法は、施術者の五感を駆使して情報を収集・分析する東洋医学版のカウンセリング術です。腰が痛いなら腰だけ、というように痛みのある部位だけチェックするのではなく、四診法は全身から不調の原因を見極めるため、根本の原因を探ることができます。

病院に行ってもよくならない原因不明の症状にお悩みの方は、ぜひ東洋医学専門の東洋はり灸院へご相談ください。