胆のう炎について

- 「食事後に右上腹部や背中に激痛がある」
- 「吐き気や嘔吐がしょっちゅう起こる」
胆のう炎にお悩みの方の多くは、このような症状をお持ちではないでしょうか。
胆のう炎と聞くと珍しい病気のように感じられますが、特に女性や高齢者に多く見られる一般的な病気です。胆のう炎の直接的な原因は胆のうにできる結石と言われていますが、自覚がないだけで多くの人がこの結石を持っています。
ただし、すべての人が結石を持っているからといって胆のう炎にかかるわけではなく、何も起こらずに生涯を終えられる方も多いのが現実です。東洋医学では胆のう炎の原因や胆のう炎にかかりやすい理由を「臓器の機能低下」であると考えています。
本記事では胆のう炎の症状や原因をはじめ、今日から始められるセルフケアもご紹介します。あわせて、胆のう炎に東洋医学の鍼灸が効果的な理由もご説明しますので、ぜひご覧ください。
胆のう炎の特徴と症状
胆のう炎とは、体内にある「胆のう」に炎症もしくはむくみが起こっている状態を言います。
胆のうは肝臓でつくられた胆汁を一時的にためて消化を助ける役割を持っていますが、胆のう炎になるとその機能が果たせなくなり、消化不良や吐き気、嘔吐を引き起こします。最初はみぞおちに違和感を感じる・食事の後に胃のあたりがチクチクするなどの症状を感じる程度ですが、症状が進行すると特に食事後にお腹や背中に激痛を感じるようになります。
また、さらに症状が悪化すると胆のうの周りに膿がたまり大きく腫れる・胆のうの壁に穴が開くなどの深刻な状態を引き起こします。ここまで進行してしまうと最悪の場合命を落とす危険もあるため、少しでも異常を感じたらすぐに専門機関でみてもらう必要があります。
以下は胆のう炎によく見られる症状であるため、当てはまる項目がある方は要注意です。
- 食事後に右上腹部・背中に激しい痛みがある
- 頻繁に吐き気・嘔吐が起こる
- 発熱
- 黄疸が出る
- お腹の膨満感
- 右肩の痛み
膨満感や右肩の痛みがあるくらいでは、正直胆のう炎を疑う方は少ないかもしれません。しかし、それらの異常も胆のう炎の初期的な症状であるため、見逃さず早めのケアを行うのが好ましいですね。
胆のう炎のメカニズムと原因
私たちの体にはさまざまな臓器がありますが、胆のうも消化活動を助ける大事な役割を担っています。胆のう炎には「急性胆のう炎」と「慢性胆のう炎」がありますが、両者でメカニズムが少し異なります。
急性胆のう炎は、体内にある胆石が胆嚢管を塞ぐことで胆汁が溜まり、細菌が発生してあらゆる不調を引き起こします。
一方、慢性胆のう炎も胆石が原因という点では同じですが、胆のうの壁に常に刺激が与えられることで軽い炎症が長期間続いている状態である点が異なります。胆のう炎にお悩みの方の多くは急性胆のう炎ですが、放っておくと慢性胆のう炎に移行してしまう可能性もあるため注意が必要です。
また、胆のう炎を起こす原因の9割は胆石であると考えられていますが、以下の要素や生活習慣も大きな原因となります。
- 胆のうの血行障害
- 薬剤・熱による胆のうの損傷
- 寄生虫
- 胆管の奇形・捻転
- 隣り合う臓器による胆のうの圧迫
- 膵液の逆流
- 肥満
- 過食
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れやストレスは、胆のう炎だけではなく他の病気も引き起こす可能性があります。そのため、現在の日常生活を振り返ってみて気になる点がある方は、少しずつでも健康的な生活を目指してみてくださいね。
胆のう炎に鍼灸が効果的な理由
胆のう炎の原因は胆石をはじめ、胆のうへの圧迫や損傷であるとお伝えしましたが、東洋医学では「肝・脾の機能低下」が原因であると考えています。
私たちの体には五臓六腑としてあらゆる臓器が存在していますが、肝は全身にエネルギーを巡らせる役割、脾は栄養を吸収してきれいな胆汁を作る役割を担っています。
東洋医学の鍼灸には、これら2つの機能を本来の状態に戻す効果が期待できます。
薬や手術のように症状を抑える・痛みを取り除くだけではなく、体を根本から変えることによって胆のう炎だけではなく他の病気にもかかりにくい状態をつくることが可能なのです。
胆のう炎におすすめのセルフケア
胆のう炎を改善し、健やかな体を保つためには鍼灸がおすすめであるとご紹介しましたが、以下のセルフケアも胆のう炎の症状を和らげる効果があります。
- 食事は薄味を心がける
- 脂質・コレステロールをできるだけ避ける
- カフェイン・アルコール・炭酸飲料を控える
- 適度な運動をする
- ストレス・疲れをためない
胆のう炎には特に脂質やコレステロールがよくないとされているため、薄味や糖質中心の食生活に変えてみてください。
胆のう炎を改善して健やかな毎日を目指そう
胆のう炎を放っておくといずれ敗血症や腹膜炎などの命に関わる病気を引き起こす可能性があります。
そのため、右上腹部や背中に少しでも違和感が出てきたら、すぐに胆のう炎を疑った方がよいでしょう。また、「毎日なんとなく調子が悪い」と感じる方は、一度東洋はり灸院 川越院へお越しください。私たちが不調の根本原因を見つけて、健やかな毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。