貧血について
めまいや頭痛、立ちくらみ、青白い顔色といった症状は、貧血のときに多く見られます。月経があることから、特に女性は貧血に悩まされている方が多いです。
東洋医学の鍼灸なら、体質改善をすることで貧血の症状を緩和させることができます。今回は東洋医学の視点から、貧血についての改善方法をお話ししていきます。
東洋医学からみた貧血の原因
貧血とはどういう状態を指すのかというと、血液中のヘモグロビン濃度が減少している状態と定義されています。貧血の症状は、主にめまいや立ち眩み、動悸、息切れを引き起こすのが特徴です。
東洋医学では貧血のことを、「血虚」と呼ばれる血が不足している状態だと判断します。血虚は五臓に当てはめると「脾」と「肺」が関係していますが、貧血の場合は主に「脾」が影響しています。
五臓のうち脾は、飲食物の消化や吸収を行って後天的に生命力の根源となるものを補充する「後天の精」をつくります。その後、「肺」で得られた大気と混ざり合って、最終的に「血」となるのです。
しかし、その血が造血機能の低下や月経過多、食事の不摂生などで不足すると血虚状態に陥ります。血虚の症状はめまいや立ち眩み、動悸、不妊、爪がもろくなる、皮膚につやがなくなるなど、貧血の症状と変わらないことがわかります。つまり、脾と肺の機能を向上させて血虚状態を改善させることが、貧血の症状改善につながるのです。
東洋医学の鍼灸による貧血の施術
東洋医学の場合、貧血の施術は鍼灸のツボを用いて行います。血虚に対しては、造血に関わる脾の働きを補うことが効果的なアプローチ法です。そのため、内くるぶしにある「三陰交(さんいんこう)」や「太白(たいはく)」と呼ばれる足の親指の下にあるツボを使用します。
食生活や生活習慣も大事!
もちろんこうした鍼灸での施術も重要ですが、貧血は血の材料である食べ物にも気を配ることが大切です。食事がしっかりとれていなかったり、添加物の多いものや甘いものを取り過ぎたりしていると、血がつくられず血虚になります。
また、血の消耗にも注意が必要です。東洋医学では目や筋肉を使うと血を消耗するといわれています。また、西洋医学でも言われていますが、女性の場合は月経過多にも注意しなければなりません。当店では、こうした生活習慣にも配慮しながら貧血の施術を行っていきます。
おわりに
貧血を東洋医学の視点からみると、血虚状態であることがわかります。血虚は五臓のうちの脾と肺の機能が低下することで起こりやすくなるので、これらの機能を改善させることが大切です。
東洋医学では鍼灸と生活習慣の見直しによって、貧血の症状を改善へと導きます。慢性的な貧血に悩まされている方は、東洋医学の鍼灸を試してみてはいかがでしょうか。