虚弱体質について
虚弱体質と聞くと、どんな方を思い浮かべますか？恐らく多くの方が、風邪を引きやすい、食が細いといったイメージを抱くでしょう。
東洋医学ではこのような虚弱体質の方は、肺や脾臓の機能が低下していると考えます。そこで今回は虚弱体質の方向けに、東洋医学の鍼灸を用いたアプローチと改善法を解説していきます。
東洋医学からみた虚弱体質とは
虚弱体質といわれると、細身で顔が青白い人を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実は痩せている方だけでなく、太っていても虚弱傾向にあるなど体質は人によりさまざまです。虚弱体質は大きく食が細いタイプと風邪を引きやすいタイプに分類できます。
東洋医学では五臓(肝臓・心臓・肺・脾臓・腎臓)の機能低下が虚弱体質に大きな影響を与えると考えます。虚弱体質に関わりが強いのは、主に肺と脾臓です。つまり肺と脾臓の機能を向上させることが、虚弱体質の改善につながります。
食が細いタイプの虚弱体質
食べるのに時間がかかる、すぐに満腹になりたくさん食べられないなど、食が細い方はたくさんいらっしゃいます。この食が細い虚弱体質の方は、東洋医学で捉えると脾臓の元気がない脾虚タイプです。
脾臓は主に、食べ物の消化吸収や肌と筋肉の生成に関係しているため、機能が低下すると食に大きな影響を与えます。食が細いタイプの虚弱体質に痩せている方が多いのはこのためです。
風邪を引きやすいタイプの虚弱体質
風邪が流行するシーズンになると、必ずといっていいほど学校をお休みしてしまう人がクラスに一人はいたでしょう。風邪を引きやすい、疲れやすい、すぐにお腹を壊すなどの症状が思い当たる方は、肺虚タイプです。このタイプはストレスにも影響を受けやすく、ふくよかな割に食べている量は少ないといった方が多い傾向にあります。
虚弱体質になる理由を東洋医学が紐解く
東洋医学では、「気・血・水」の3つの要素が身体を巡ることで心身の健康が保たれると考えられています。虚弱体質の場合、この3つの内の「気」が不足している状態です。ここで言う気とは、人が生きるために必要な活動を支えるエネルギー源のことを指します。
気が不足すると免疫機能が低下したり、疲れやだるさが出やすくなったりすることが多くなります。なぜ気が不足してしまうかというと、ひとつは気を作り出す力が弱いためです。気は脾がしっかり機能していれば作ることができるため、脾を元気にして消化吸収がスムーズになるよう働きかけます。
もうひとつは気を全身に送る力が弱いからです。せっかく脾で気が作られても、それを全身に送り届けることができなければ意味がありません。気を運搬するためには、肺の力が必要不可欠です。
そのため、気を送る力を強めるには肺を元気にすると解決します。こうした肺や脾といった臓腑の機能を高めるには、東洋医学の鍼灸が非常に有効です。
五臓に働きかけ巡りを整える東洋医学の鍼灸の力
東洋医学の鍼灸は、五臓とつながりがあり、気・血・水の通り道でもある経絡を用いて施術を行います。経絡と体表面の接点であるツボ(経穴)に鍼灸で刺激を与えることで、五臓の機能を活性化させる施術です。
虚弱体質の場合、肺と脾のツボにアプローチをかけて不調を改善へと導いていきます。施術に用いるツボは、お客様の体質や症状により異なりますが、当店でよく使用されるツボを以下にまとめました。
脾にアプローチするツボ
中脘(ちゅうかん)
みぞおちとおへそを結んだ線上にあるツボで、胃腸を元気にしてくれます。単独で使う場合は刺さないで使用する鍼の「てい鍼(ていしん)」を使用します。
天枢(てんすう)
おへそから指3本分外側にあるツボです。胃を元気にしてくれるツボで、当店では中脘とセットで使うことも多々あります。一緒に使う場合は、鍼ではなくお灸でアプローチすることが多いです。
大都(だいと)
足の親指の外側のつけ根辺りにあり、胃腸の働きを活発にしてくれます。鍼とお灸、どちらで刺激を与えてもOKです。
これらはすべて、気を補うための「補法(ほほう)」と呼ばれる刺激となります。
肺にアプローチするツボ
孔最(こうさい)
肺の特効ツボとされるのが、肘の内側にあるツボである孔最です。当店では鍼よりもお灸で刺激することが多いため、ご自宅でのセルフ灸もオススメしています。
虚弱体質の改善は東洋医学の鍼灸で！
虚弱体質の方は、身体に気が足りていない状態のため、あらゆる不調が起こりやすくなります。東洋医学では虚弱体質の原因を脾と肺と捉え、鍼灸で巡りを整え体質改善を目指します。
食が細い、風邪を引きやすいなど、ご自身の体質にお悩みの方はぜひ一度、東洋はり灸院までご相談ください。五臓にアプローチをかける鍼灸施術で、身体のバランスを整えましょう！
