突発性難聴について

突然耳が聞こえなくなってしまう突発性難聴に悩む方が、年々増加しているといわれています。突発性難聴は、対処が遅れると回復に時間がかかってしまうため、早めの対処が重要です。

今回は突発性難聴のメカニズムから鍼灸を用いた改善法まで、詳しく解説していきます。耳の違和感や詰まりにお悩みの方は、ぜひ本記事を参考になさってください。

※施術効果には個人差がございます

突発性難聴は、あるとき突然片側の耳が聞こえなくなる病気です。発症に男女差はなく、子どもから高齢の方まで幅広い年代で発症するといわれています。片側の耳が聞こえなくなるほか、耳が詰まった感じや耳鳴り、めまいや吐き気を併発される方もいます。

突発性難聴の場合、発症した日時が明確なほど突然起こり、同じ側の耳には再発しないのが特徴です。

突発性難聴は音を電気信号に変換する働きをもつ有毛細胞に障害が起こることで発症しますが、はっきりとした原因はまだ解明されていません。

その中でも2つの有力な説があり、ひとつはウイルス感染により引き起こされるという説です。おたふくかぜや単純ヘルペスなど、耳の神経を傷めやすいウイルスの影響を受けて内耳に障害が起こるのではないかと考えられています。

もうひとつは内耳の血管が詰まったり細くなったりすることで起こる血流障害です。特に心臓病や高血圧など、血管の柔軟性がなくなる病気のある人に多く見られる傾向があります。

これらの原因に大きく関与しているのがストレスです。ストレスがあると血管が収縮して内耳の血流障害が起こったり、免疫の働きが低下して感染症を起こしやすくなったります。つまり、突発性難聴を予防・改善するには血流やストレスに対するケアが大切なのです。

耳の病気なのになぜ鍼灸が有効かというと、鍼灸は血流改善やストレス緩和に適している施術だからです。

わたしたちの身体には経絡と呼ばれる気(エネルギー)や血液の通り道が縦横無尽に張り巡らされています。この経絡の流れがスムーズであれば、巡りが整い健康な状態を保つことができます。そのため、血の巡りが悪い場合は経絡と体表面の接点である経穴(ツボ)に鍼やお灸で刺激を与えると、気血の巡りが改善されます。

また、身体のさまざまな器官や臓腑は経絡を通して互いに影響し合っているため、巡りを整えることで関連する不調も合わせて改善させることが可能です。

東洋医学の鍼灸は、突発性難聴だから耳だけをみて施術をするのではなく、全身をみてアプローチすることで身体のあらゆる不調を相対的に改善へと導いていきます。

ここからは当店で突発性難聴の改善に成功した人の施術例を紹介します。

当店には難聴でお悩みのお客様もたくさんいらっしゃいます。実際に改善に至ったケースも多々ありますので安心してお任せくださいね。

脈状や腹部、全身の体つきと症状から肝と腎の機能低下による聴力低下と判断しました。今回のお客様の場合、急激に落ちた右耳の聴力であれば改善可能であるとお伝えしました。

肝に働きかけ耳への血流を促進し、同時に腎へもアプローチすることで聴力そのものを回復させていきました。今後また聴力が落ちないよう予防も兼ねた施術を行いました。

実際の施術については、手足にある肝と腎にかかわるツボに接触鍼を施し、頭や首回りのコリや張りをほぐしました。また、後頭部から耳の付け根、太ももの後ろにも鍼を打ち、最後に足首の腎のツボをお灸で刺激する施術を行いました。

施術に要した回数は以下の通りです（回数は目安）。

施術回数	変化
2回	少し聞こえがよくなる実感を得る
3～5回	テレビの音量を少しずつ下げられるように。補聴器をつけなくても日常生活が送れるようになる
8回	右耳の聴力が急激に落ちる前まで改善

基本的に耳の症状は改善が難しく、とくに長年をかけて徐々に悪くなった聴力は改善しない場合も多々あります。このお客様のケースでも左耳は変化がないものの、急激に悪くなった右耳の聴力に関しては悪くなる前まで改善できました。