葛根湯は万能薬なのか?季節の変わり目の痛みと東洋医学の考え方

「特に何かしたわけでもないのに、急に肩や腰が痛くなった」「重いものを持ったわけでもないのに、腕が痛い」このような見覚えのない痛みに悩まされた経験はありませんか?
東洋医学ではこれら原因不明の症状の本当の原因を、季節や天候の変化にあると考えます。そしてこの痛みに有効なのが、あの風邪薬として有名な葛根湯(かっこんとう)です。
本記事では東洋医学の観点から痛みが起こる原因をはじめ、葛根湯が持つ力について解説します。
【動画解説】葛根湯は万能薬なのか?
痛みはなぜ急に起こるのか?

人間は気圧や気温、湿度といった外的な環境の変化に常に影響を受けています。東洋医学ではこれらの急激な変化が身体にとっての邪(じゃ)、いわゆる悪いものとなり、身体の表面から侵入すると考えています。
特に季節の変わり目や急に寒くなったり暑くなったりした時、雨が降って湿度が上がったり、台風が来たりする時など外の環境が大きく変わると、身体がうまく順応できず、この邪の影響を受けて痛みや不調が現れやすくなります。
葛根湯の役割

皆さんもご存じのとおり、葛根湯は風邪のひき始めに効果があると言われています。しかし、葛根湯に風邪ウイルスを殺す力があるわけではありません。葛根湯の本当の役割は、身体の表面から入った邪を追い出すことなのです。
葛根湯には、気候の変化によって身体の表面から侵入した邪を私たちが本来持つ力を高めて一気に外へ追い出す作用があります。風邪のひき始めはこの邪が体表面に侵入したばかりの状態です。そこで葛根湯を飲むことで内臓の働きを高め、その邪を「バーン!」と追い出すイメージです。
市販の葛根湯のパッケージを見ると、風邪の症状に加えて頸部硬直(けいぶこうちょく)、つまり首筋や肩のこわばりに効果があると記載されています。これは気候の変化によって首や肩の痛みとして現れた場合に葛根湯で対応できることを示しているのですね。
江戸時代の葛根湯医者は本当にヤブ医者?

江戸時代にはどのような症状にも葛根湯を出す医師がいました。しかし、このような医者は葛根湯医者と言われ、当時はヤブ医者扱いされていたと言われています。
しかしよく考えると、この葛根湯医者は頭痛や腰痛、腹痛など、さまざまな症状の背景に気候の変化という共通の原因を見抜いていたのかもしれません。体調を崩しやすい季節の変わり目や気候の変化に葛根湯が広く適用できることを知っていた、とも考えられますね。
葛根湯は万能薬ではない

葛根湯はもちろんどのような痛みにも効果があるわけではありません。あくまでも外からの邪が原因となる痛みに有効と考えられています。
そのため、もし急な痛みや不調の原因が「気候の変化かもしれない」と思った時は、葛根湯を試してみる価値は十分にあります。しかし、痛みや不調が続く場合は違うところに根本原因があるかもしれません。
もし何が原因かわからないと感じたら、東洋医学専門の鍼灸院で身体全体をみてもらってはいかがでしょうか。東洋医学のプロは、気候の影響だけでなくあなたの体質や内臓の状態も踏まえて根本原因を特定し、葛根湯よりも強力なアプローチで不調を改善に導いてくれますよ。













