身体の不調と体質の関係

コンディション

今回は、身体の不調と体質の関係について「エネルギーや精神状態がよく低下するのは体質のせい?」と題して、現役鍼灸師がわかりやすく解説します。

身体のダルさや冷え性、気分の落ち込みなど、原因がわからない慢性症状に悩まされている方は少なくありません。実はこれらの慢性症状の原因は、自身の体質にあることをご存知ですか?

東洋医学の鍼灸は、お客様の体質に合わせて不調の原因を見極め、改善へと導くことを得意としています。まずは症状や体質を確認して、自分がどのタイプに当てはまるかチェックしてみましょう。

頭が熱く足が冷える状態の『気逆』

熱

東洋医学で気逆(きぎゃく)とは、日常生活の出来事で心の状態が乱れて余裕がなくなり、気が沈んだり低下したりする状態を指します。

「気」といきなり言われてもイメージしづらいかもしれませんが、空気や天気など、わたしたちの生活で気のつく言葉はたくさん使われています。また、気が合わなかったり気を遣ったりすると疲れるし、嫌なことを乗り切ったら気が晴れるといったように、日常生活では多くの気が実際に遣われています。このように見えないけど存在しているのが『気』なのです。

この気は上から下に流れる特性を持ちます。つまり足が温かく、頭が冷えている状態が正常な状態です。

一方で、頭が温かく足が冷えている状態を東洋医学では気逆と診断します。気逆の人で足が冷えている場合、下半身が冷えるため生理痛がツラかったり、腰が重くなったりする人もいます。頭に熱が上っている場合は、片頭痛持ちや円形脱毛症、ドライアイ、血圧が高くなる、イライラ、鼻炎、肩こりなどの症状が現れることも珍しくありません。

このように気逆の状態になると、たくさんの病気が現れやすくなるのです。

しかし、気逆で病院にかかっても、なかなか改善しない方が少なくありません。例えば顔が赤い状態で病院に行かれても医者は対処に困りますし、首こりならマッサージ、ドライアイなら目薬、頭痛や生理痛なら痛み止めといった治療が施されることでしょう。でも残念ながら、気逆は西洋医学的な部分治療だけでは改善されません。

西洋医学の考えを東洋医学から見た場合、木を見て森を見ないと言います。なぜなら西洋医学の場合、肩こりなら肩、ドライアイなら目というように、症状の出る箇所だけを見て全身を診ないからです。その点、東洋医学は森を見て木を治すので、身体全体をチェックして現れている症状すべてを改善させていきます。

婦人科疾患が出やすく血の巡りが悪い『お血』

お血

お血(おけつ)とは、身体に栄養分を送る血液の流れがスムーズにいかずに停滞している状態です。現代人は動物性タンパク質を多く摂るので、血液の流れが悪くなりやすくなります。

お血体質の方は生理痛や生理不順などの痛みを鎮痛剤で抑え続けるため、卵巣のう腫や内膜症、子宮筋腫などの婦人科疾患の症状が出やすくなります。ほかにも、血の巡りが悪くなるので頭痛や肩こりなどを発症する人もいるでしょう。

現代の西洋医学には、残念ながらこのお血という概念は存在しません。一方、東洋医学はツボやツボの道である『経絡』といった、目に見えない身体の機能を使ってお血の施術を行います。

お血体質の人には、肝臓系のツボを使用して機能を向上させることで改善させます。漢方の併用や血液がサラサラになる食べ物を摂ることも早期改善につながります。また、体質が変わるとお血が改善するだけでなく美容にも効果てきめんです。

気分が晴れず抑うつ傾向で精神状態の悪い『気滞』

抑うつ

気滞(きたい)とは、精神状態が著しく低下している状態のことを指します。気持ちが晴れずに抑うつ傾向があり、気分が沈んで落ち込みがちになるのが症状の特徴です。

正常な状態は気力が身体を巡った元気な状態ですが、気滞になるとノドに異物が詰まったように感じる人もいます。病名でいうと、うつ病や自律神経失調症といった病気が代表的です。

気滞は病院に行ってもストレスが原因の「ヒステリー球」と言われるだけで根本の原因は判明しません。しかし、東洋医学では『梅核気(ばいかくき)』と診断されます。梅核気はしびれや手足の冷え、朝起きにくい、身体が重い、お腹が張る、ゲップが出るなどの症状が診断の指標となります。

これらは病院や整体、カイロなどで改善させるのは難しいでしょう。ただし、東洋医学であれば約二千年の歴史が積み重なっているので、気滞も熟知しています。

心療内科での治療は、薬を飲むことで表に出る症状は緩和されますが、気分が晴れやかになることは絶対にありません。ただ、カウンセリングも並行して行うため徐々に快方には向かいます。

反対に東洋医学の専門店は、投薬治療は一切行わずにお客様個人の身体のタイプや状態を把握して施術を行います。その状態に合わせて適切なツボに鍼灸を施し、身体のバランスを調整することで改善へと導いていくのです。

脱毛や乾燥肌で血が足りない状態の『虚血』

乾燥肌

血虚(ちきょ)とは、血液の循環が悪くなって全身に栄養が行き渡らなくなる状態です。
改善方法は、血液の巡りが良くなるような施術を行います。

血虚の特徴的な症状は、脱毛や乾燥肌、足の筋肉がつりやすくなる、まぶたがピクピクする、爪に縦線が多く出る、巻き爪、集中力が続かない、身体が疲れやすいなどが挙げられます。病院に行っても症状を抑える薬は処方されますが、残念ながら根本的な改善には至らない方が多いようです。

東洋医学では、血が足りないタイプの方には普段から鉄分の多い食事を心がけていただき、血を補うことをオススメしています。そうすることで、血虚を改善させる身体を作ることができます。

身体がだるくエネルギーが足りない『気虚』

ダルい

気虚(ききょ)とは、気というエネルギーが不足して身体がダルくなる状態です。西洋医学では、慢性疲労症候群と診断されるでしょう。気虚はうつ病になりやすく、全身の倦怠感も起こりやすいのが特徴です。

西洋医学で気虚を治療する場合、点滴で一時的に状態を良くすることはできます。しかし東洋医学なら、鍼灸で「気」というエネルギーを向上させる施術を行うので、早い段階で改善させることが可能です。

東洋医学の鍼灸は精神と身体はつながっているという『五臓六腑』の考えに基づき、身体の機能を向上させながら免疫力も上げることができます。

体質でお困りの方は東洋はり灸院へ!

スタッフ集合

身体に不調が起こりやすい人は、以下の5つの体質に当てはまっている可能性があります。

  1. 頭が熱く足が冷えて免疫力が低下した状態の『気逆(きぎゃく)』
  2. 生理痛など血液の巡りが悪くなると起こる『お血(おけつ)』
  3. 気分が晴れず抑うつ傾向など精神状態が低下した『気滞(きたい)』
  4. 乾燥肌などで血が足りなくなる『血虚(ちきょ)』
  5. 身体がダルくなるなどエネルギーが足りない『気虚(ききょ)』

本記事は身体の不調と体質の関係について、現役鍼灸師が詳しく解説しました。不調の原因を探るには、体質を見極めて的確に身体をみることが大切です。

今回ご紹介した体質に当てはまる方は、ぜひ東洋医学専門の東洋はり灸院へご相談ください。スタッフ一同心よりお待ちしております。